佐賀大学医学部では2009年3月まで、血液科および呼吸器科が独立して運営されておりました。しかし、がん治療はきわめて急速に進歩しており、診療科の垣根を越えた腫瘍内科医が求められるようになってきました。そのため、2009年4月より新たな講座として血液・呼吸器・腫瘍内科がスタートし、教授として木村晋也が着任しました。
我々の教室では、血液・呼吸器疾患そして多くの種類のがんに世界標準レベルで対応できるよう努力しております。また患者さんが、最先端の新薬による治療が受けられるように、大規模臨床試験に参加できるチャンスをできるだけ数多く準備できるように心がけています。研究面では、白血病などの血液悪性腫瘍および肺癌を中心とした固形癌に対する新たな診断法や分子標的治療法の開発に取り組んでいます。また気管支喘息などの炎症性肺疾患の基礎的研究にも力を注いでいます。このように臨床および研究を充実するためには、若い力が必要です。血液および呼吸器の臨床に関する専門教育とともに、基礎研究の指導にも努めていま す。
血液・呼吸器・腫瘍内科 教授 木村晋也
佐賀医科大学内科学講座血液部門は1981年、山口雅也教授(第三代学長)と佐野雅之助手の2名のスタッフで発足し、1982年に斎藤英彦教授、鈴木久三講師が着任し、その基礎を築きました。1984年に斎藤教授が名古屋大学教授へ転出後、九州大学より嶋本義範講師が着任しました。嶋本講師はその後助教授として血液研究室を発展させ14名の教室員を育てました。1997年には佐野雅之講師が、2003年からは末岡榮三朗助教授が血液科主任に就任しました。2009年4月京都大学医学部附属病院より木村晋也が内科学教授【血液・呼吸器・腫瘍内科】として着任し、現在に至っています。
呼吸器内科部門は、1981年山田穂積講師(当時)の赴任をもって開設され、1984年加藤收助手(当時)の参画後、本格的に呼吸器内科部門が稼働致しました。その後、助教授、講師に各々昇進し、数々の後進の指導にあたると共に、感染症から腫瘍まで医学の屋台骨ともいえる呼吸器分野で院内の縁の下の力持ち的な役割を果たしてきました。1995年より第2世代のスタッフの中心として林真一郎助教授が赴任し、開学以来の呼吸器学の精神が引き継がれていると同時に、感染症分野は新たに感染制御部として独立、初代部長となった青木洋介講師(当時)が2012年から教授に就任し、現在の院内における感染症診療を支えています。
腫瘍内科部門は、血液内科での造血器腫瘍、呼吸器内科部門での肺がん、肉腫、原発不明がんの治療に加え、新たに食道がん、胃がん、大腸がん、胆道がん・膵がん等の消化器がん化学療法を行うべく、2012年度より本格的に始動しました。一般・消化器外科より柏田知美助教が参画し、血液・呼吸器スタッフと共に院内外からの腫瘍全般についてコンサルテーションを受け診療を行っています。
最終更新日:2017年4月28日
(C)佐賀大学医学部附属病院血液・呼吸器・腫瘍内科