【学会報告】第59回日本肺癌学会九州支部学術集会

2019222, 23日の2日間、佐賀市のホテルグランデはがくれにて第59回日本肺癌学会九州支部学術講演会、第42回日本呼吸器内視鏡学会九州支部総会が開催されました。

本学会は当科(呼吸器内科)の診療科長である荒金尚子診療教授が学会長を務め、佐賀大学医学部附属病院呼吸器内科が主幹を務めました。

昨今の肺癌診療の進歩は目まぐるしいものがあり、本学会は現在の肺癌診療のトピックスである「がんゲノム医療」、「免疫チェックポイント阻害剤」をメインテーマとして最新の知見に基づいた情報共有を行いました。

「がんゲノム医療」に関しては、特別講演にて九州大学医学部呼吸器内科中西教授による遺伝子パネル検査についての解説を拝聴後、シンポジウムにて各施設におけるがんクリニカルシークエンスの現状報告がありました。
当科からは中島千穂先生が「佐賀大学におけるがんクリニカルシークエンスへの取り組み」と題して発表を行い、シンポジストを務めました。


 
  学会長の挨拶(荒金尚子診療教授)      シンポジストを務める中島千穂先生

「免疫チェックポイント阻害剤」を用いた免疫療法が加わったことで肺癌診療は大きく変化しました。免疫チェックポイント阻害剤と殺細胞性抗がん剤の併用療法が可能となったことを中心に本学会でも多くの話題が取り上げられました。

一般演題では当科からも下記の発表を行いました。
中村朝美先生「Liquid biopsyを用いたアファチニブ耐性化機序の検討」
小宮一利先生「irAE中止症例における、効果と予後の後方視的検討」
中島千穂先生「Osimertinib投与後に心房細動を発症した3症例」
                  「細胞外分泌小胞関連
DNAによるEGFR遺伝子変異検出についての検討」
安部友範先生「肺がん患者における血漿遊離DNAの特性」
小楠真典先生「頭部MRIの脳室拡大所見を契機に診断した肺癌髄膜癌腫症の臨床的検討」
平川治樹先生「オシメルチニブ治療中に小細胞肺癌へ形質転換したEGFR陽性肺腺癌に対して、化学療法と
                     オシメルチニブの交代療法が奏功した一例」

今回のプログラムは肺癌診療の最新トピックスを扱い、ご参加いただいた九州各地の先生方からもご好評いただき、盛況のうちに終えることができました。ご参加いただいた先生方、ありがとうございました。運営スタッフの皆様は大変お疲れ様でした。


 

(C)佐賀大学医学部附属病院血液・呼吸器・腫瘍内科