学会報告 第21回 日本がん分子標的治療学会

 

6月15-16日、九州大学医学部百年講堂で 第21回 日本がん分子標的治療学会 学術集会が開催されました。
当科の木村 晋也 教授は同学会の評議員でもあり、同日もモデレーターを務められました。科内からは大学院生の 中島 と 安部 友範 先生が発表をしてきました。

P16-1 「高感度EGFR遺伝子変異検出法におけるCellulose beadsを用いたDNA自動抽出装置の有用性」
P16-2 「肺がん患者における血漿遊離DNAの特性」 

血漿遊離DNAのデータは、昨年12月にEGFR T790M検出で臨床応用され、これからさらに色々な分野で広がっていく可能性があるものです。
データを有意義なものとして、比較検討していくためには、各施設での前処理が統一されている必要性があること、統一されていない場合にはその処理が検査結果に影響を及ぼしうることについて報告しました。
また、今後 血漿遊離DNAの臨床応用を進めていく上で基礎となるデータとして、患者さんの臨床状況に応じた遊離DNAの特性を検討した内容についても報告しました。

がん分子標的治療という切り口の学会で、肺がんにとどまらないたくさんの演題を見聞きすることができ、どういった生体分子に注目があつまっているのか、治療薬として有望な新規化合物にどんなものがあるのか、また、実験手法や解析手法について、新しい知識を得ることができました。
さらに、現在我々が行っているデジタルPCRや次世代シークエンサーについて、実際の日々の実験の中で疑問に思ったテクニカルな問題点についても、他施設の先生方と意見を交わすことができ、明日からの研究をまた頑張ろうと思った2日間でした。

(安部先生(左)と木村先生(右))

発表する安部先生

 

(C)佐賀大学医学部附属病院血液・呼吸器・腫瘍内科