日本造血細胞移植学会主導の臨床研究「染色体異常がATLに対する同種移植に及ぼす影響」を行います。

当院から登録した過去のデータを用いて、下記臨床研究を行います。該当する患者さん、またそのご家族の方で、もし本研究についてご質問やご意見がございましたら、いつでも当科までお問い合わせ下さい。

染色体異常がATLに対する同種移植に及ぼす影響
 -1998年6月~2012年12月の期間にATLに対する同種移植を受けた16歳以上の患者様へ-

研究機関名

  公益財団法人慈愛会 今村病院分院 血液内科

研究代表者

  九州大学病院 血液・腫瘍内科 加藤 光次

研究責任者

  公益財団法人慈愛会 今村病院分院 血液内科 造血細胞移植部長 中野 伸亮

研究分担者

  公益財団法人慈愛会 今村病院分院 血液内科 主任部長 高塚 祥芝

  公益財団法人慈愛会 今村病院分院 血液内科 部長 竹内 昇吾

  公益財団法人慈愛会 今村病院分院 血液内科 医師 宇都宮 與

  公益財団法人慈愛会 今村病院分院 血液内科 医師 窪田 歩

  公益財団法人慈愛会 今村病院分院 血液内科 医師 徳永 雅仁

 

研究目的

 成人T細胞白血病・リンパ腫(以下ATL)は、通常化学療法のみでは極めて予後不良であり、近年、特に移植可能年齢の患者に対して同種移植が検討されている。これまで、移植手法や移植時の状態、移植後のイベントなどが予後に与える影響の検討は多くなされているが、ATLに対する同種造血幹細胞と染色体異常に関する分染法を用いた検討は今のところ報告されていない。分染法を用いた染色体異常と予後の関連に関しては、化学療法を受けたATL50症例の後方視的検討において、6ヶ所以上の染色体切断点を有することで予後が分かれ、1p、1q、3q、17q、などの優位に予後不良な構造異常であるという報告のみである。そこで本研究では、日本造血細胞移植データセンター/日本造血細胞移植学会の一元管理データベース(TRUMP)を用いた解析及び二次調査を行い、移植後生存を予後の基軸として、同種移植でも予後を改善できていない染色体異常(数的異常、構造異常の両側面)の抽出を目的とした。

 

対象

 TRUMPデータにおいて、1998年6月から2012年12月の期間に、ATLに対する同種移植を受けた16歳以上の初回移植症例より、染色体異常の有無に関する情報が分かっている症例(753例)を二次調査対象とする。

 

評価項目

主要評価項目

  1) 移植後生存予後不良な染色体異常の抽出

副次的評価項目

  1) 染色体異常の有無での移植後生存割合
  2) 染色体異常と移植後無増悪生存割合(progression-free survival、PFS)と
        非再発死亡(non-relapse moratality、NRM)
  3) 移植前の病勢と染色体異常の関連

 

研究期間

 2015年7月15日(今村病院分院での倫理委員会承認日)~研究の終了について報告された日から5年を経過した日、又は当該研究の結果の最終の公表について報告された日から3年を経過した日のいずれか遅い日

 

データ収集期間

 2015年7月15日(今村病院分院での倫理委員会承認日)~2016年3月31日まで

 

データの破棄

 研究の終了について報告された日から5年を経過した日、又は当該研究の結果の最終公表について報告された日から3年を経過した日のいずれか遅い日までの期間が過ぎた後、紙媒体はシュレッダーにより、電子媒体はデータの完全消去により廃棄します。

 

個人情報の保護

 個人のプライバシーは最大限に尊重され、被験者の個人名や住所などの個人を特定できる情報が外部に移動することはありません。日本造血細胞移植データセンター/日本造血細胞移植学会の一元管理データベース(TRUMP)を用いますが、個人情報が削除された移植後の患者のデータを各施設よりTRUMPへ提出するため、個人情報の漏洩はないと考えます。

 

同意撤回について

 上記に同意されない患者さんもしくはそのご家族は、下記までご連絡ください。研究実施期間においては、本研究への登録症例にあたるかどうかを速やかに確認し、登録症例であった場合は事務局に連絡して解析対象から外すよう対応致します。

 

当院での担当:

佐賀大学医学部附属病院血液・呼吸器・腫瘍内科 助教 進藤岳郎
電話:0952-34-2366

 

最終更新日:2016年2月17日

(C)佐賀大学医学部附属病院血液・呼吸器・腫瘍内科